SRIセミナ−

昨日、担当している業務に関連して、SRIセミナーに出席してきました。うちのRMにも、こういった”市場のニーズ”の視点が必要。


Q1.真新しい新商品の開発の時はP16の”3つのシナリオ”を提示できなくても良いか。
→良い。作れる範囲で作ることに意義がある。
  ロードマップ作りは、「①作成の際、社内で緊密なコミュニケーションが取れる」、「②今後共通の言語を持って語れるようになる」というのが大きなメリット。
Q2.業界全体のマッピングをする際、競合企業が多く、ベンチャー等、不確定要素により業界全体のマップが大きく変わる可能性がある分野の場合は、どうすればいいか。
→費用対効果を勘案して、範囲を決定する。(どれだけの資源が使えるか、作成によりどれだけのメリットが得られる可能性があるかにより決定)ベンチャー等、小さな企業まで全て網羅的に調べて勘案していくのは非常にお金がかかるので、”小企業”というカテゴリーをマップの中に設け、そこで勘案するようにすると良い。
Q3.シナリオプラニングする上で、複数のシナリオを検討して挙げているが、一番いいモデルだけを考えればいいのではないか。非常にマイナスになるシナリオまで時間をかけて検討する理由は?
→いまは全てが不透明な時代、故にシナリオが必要となっている。「悪夢」は起こりえるのです。悪夢が起こった時、何をするか、その場合、被害を最小限に押えるにはどうすればいいか、ということを考えることは必要。例を挙げると、米国・カナダが数十億$をかけて、北米地域に光ファイバーケーブルを敷設した。しかし結果は、ダークケーブルになった。(全て使われなかった)
→シナリオとは会社外で起こる外的な要因を踏まえて、自社が何をすべきかを予測することであり、市場は社内だけの事情や会社の持つ技術力だけでは決まらない。
Q4.新規参入企業がシナリオプラニングをする意義は?
「ロードマップを作成 → スクリーニング(どういうビジネス機会があるか、どこは大企業が取ってしまうか) → 自社がどこに打って出るべきかを知ることが分かる」
マップとは市場での”ケンカ”の仕方を教えてくれるもの。どんないい技術や技を持っているかではない。勝たなければ意味が無い。
Q5.サービス部門は、シナリオプラニングをする意味があるか。
→市場規模が大きく、量産効果が働くものは有効。”サービス”単位で作ることも可能であるし、既存の”商品”に係るロードマップに入れこむことでも可能。
Q6.素材開発メーカーは作る意味があるか。
"B to C"ではなく、"B to B to C"、"B to B to B to C"までを視野に入れて、ロードマップを作ると良い。その際、下流に位置するビジネスパートナーと連携して作ることが重要。例えば、新規事業を開始する際は特に、このロードマップ作りは重要になってくる。
Q7.ロードマップ作成プロセスでは、ワークショップが大きな役割を有しているように見えるが。
→発明には”多様性”が非常に重要であり、WSは多様性を得るために重要なウェイトを占める。段階が移行する際、平行して調査すると良い。また、フォローアップでォッチングすることも必須。
Q8.用途を広げたい時は?
まず、「ニーズ」がどこにあるのか見てから、「技術の可能性」を探る。とにかく、ニーズとのリンク、市場規模の把握が重要。(技術から入るのは良くない。技術がいいのは分かるが、じゃぁ、お金は誰が出すの?)


(まとめ)
・シナリオとは”自らがコントロールできない社会”の状況を踏まえて作るもの。外の状況を調べず、自社だけの視点で作るのは傲慢。
・一つではなく、複数の未来を想定すること。そして、その不確定な社会とどうかかわっていくかを考えること。
・戦略策定の一番のポイントは視野を広げること。
・ただ、視野を広げると言っても、全ての企業に目を配るのは不可能。マーケットリーダーにとってはチャレンジャーがどのような差別化戦略を考えているか気になるかもしれないが、調べられる範囲で調べて、新規参入者による影響は”不確定要素”とし、まとめておくのが良い。
・実際には予想もしなかったものが入ってくることもある。常にモニタリングをし、道しるべを作っておくことに意義がある。